巨樹探訪ベスト10 2019

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 ああ……2019年も終わってゆく……。
 あっという間の1年の間に、今年もずいぶんといろんなところへ出かけました。
 その案内役、目標役を担ってくれたのが、もちろん数々の個性豊かな巨樹。
 訪ねれば訪ねるほど、撮れば撮るほど奥が深い……そう思い知らされながらも、今年出会った巨樹たちの中で特に印象深かったものを振り返ってみるとしましょう。
 ランキング形式で! ものすごく無謀にも。

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○殿堂入り
「石徹白の大杉」「浄安杉」「東根の大ケヤキ」「三春滝桜」


 始めておきつつ、まず意図的にランキングにしないものを。
 石徹白という土地はまさに聖地であり、その霊験を信じ、巡礼を行うべき土地となってしまっています。
 再訪してなお、より鮮烈な体験となってそれを感じられました。
 おそらく来年も遠いこの地を目指そうとするでしょうし、この先何度もそう考えるに違いありません。
 こんな体験を順位に当てはめようとする方がおかしいというものです……。

 一方、「東根の大ケヤキ」、「三春滝桜」は、距離はあれどもアクセスは悪くない。それゆえに再々度の訪問が確実です。
 何よりも、名所としてのレベルがすごく高い。別格と言えましょう。


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○1位「杉の大杉」

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○1位タイ「加茂の大クス」

 ……いや、「知ってた」「わかり切った展開」って、じゃあ逆に訊きますが、コレをココ以外のどこへ持っていけば納まりますか?
 国指定特別天然記念物……ものすごい存在感です。
 さらにそこに、同好の士連れだっての初の四国巨樹探訪旅という、道中あふれんばかりのロマンもプラスされている。長距離に渡るその印象の最高潮を極めてくれたのも、やはりこの特天の二樹であるのです。
 文字通り山あり谷あり超えて行ったあの旅は、僕にとっては一生の思い出です。

 「杉の大杉」「加茂の大クス」、どちらも写真では魅力が伝えきれないような大巨樹ですが、それぞれに比べられない個性があり、かつ、もう一度見に行くとすれば、両方を見に行くことは確実。
 そう言った意味でも問答無用でダブル1位で良い! と思っています。
 再訪を果たしたのであれば、即殿堂入りすることも明らかです。そりゃそうでしょう……。


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○3位「松保の大スギ」

 東北に踏み込み、その深さに圧倒された代表的巨樹として、今年一番強烈な印象を残しました。
 何せでかい! 生命体としての勢いが凄まじい。この「松保の大スギ」においては、巨樹につきまとう神話性みたいなものを全然感じないほどです。今ここに生きている化け物です。
 しかも、そこまでの道のりが結構な冒険。この大杉に出会うことで、ひとつ次のステージに成長できたような気すらしました。


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○4位「桑平のトチノキ」

 1位の特天神樹コンビは置いておくとして、四国編で純粋に大きな感動をくれた巨樹が「桑平のトチノキ」です。
 大きさ、スタイル、葉や花の生命の営みの美しさ。巨樹を見る喜びを満遍なく、大盛りで授けてくれたトチノキでした。
 ここまで来ると過疎感もかなりのものですが、四国へ渡るなら是非また訪ねたい巨樹ですね。数十メートル先の大杉も待っていてくれますし。


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○5位「滝の沢の一本杉」

 かなりのラフロードぶりに一度逃げ帰り、しかしどうにも誘惑されて再チャレンジしました。それだけの誘惑をかけてくる巨樹です。
 根元から分岐する裏杉軍団を横に置いておくとすれば、「松保の大杉」に次ぐ幹周を誇る、山形ナンバー2の一本杉と言えるでしょう。というか、このワンツーを有する山形は恐ろしいところですね……。
 四輪駆動に乗ってて本当によかったと実感すると同時、くそ度胸を発揮したせいで、ちょっとだけタフガイ気分にも浸れます。
 素晴らしいが、気軽にはおすすめできない。脱出できなくなっても責任取れませんよ!


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○6位「別所の大クス」

 選考のために後から写真を見返していて、その立ち姿の美しさと大きさ、スケール感に再度胸打たれた大クスです。
 背が高く、すごくかっこいい。胸のすくような樹ですね。
 初心者の方にも「ね、巨樹って素晴らしいでしょ?」と説明しやすい。しかもベテラン風を吹かせた常套句「もっとすごいのもいっぱいいるんだぜ」も言いやすいという。
 いやいや、そんないやらしい動機からではなく、間違いなく惚れ惚れするような大クスです。アクセスが簡単なところも良いです。


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○7位「大井沢の大栗」

 この巨樹も入ってきますね。東北へ乗り入れて、栗の巨樹というものを初めて見ました。
 行こうと思った場所の近くでいきなり日本一の栗に対面してしまった……というのが本当のところですが、森の代表者とでも呼ぶべき、貫禄と暖かさに満ちた良い巨樹でした。
 トチやクリのような、恵みをもたらす広葉樹の巨樹には、いつまでも一緒に居たくなるような独特の心地良さがあります。
 「大きな栗の木の下」に居たくなってしまうのですね。


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○8位「大悲山の大スギ」

 福島県南相馬市。くだんの原発事故の呪縛をようやく振り切り、会いに行くことができた異形の大杉。数キロで帰還困難区域になります。
 どうしたらこんな変わった姿になるのか……二面性のある立ち姿は資料本などから正確に伝わったとは思えず、こういう巨樹だったのか! と現場で驚きました。
 実際はかなり樹高の高い一本杉なのです。
 唐突に発生する数多くの触手のような枝は、阿修羅的な八面六臂のようにも見えてきます。


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○9位「桃原の牡丹スギ」

 好きです、異形の巨樹。笑
 四国編において何とも心をざわつかせたのが、この杉。いや、本当に杉なのでしょうか?
 ……そう怪しむくらいの異質感。「桃原の牡丹スギ」なんていうどこか優雅そうな名前に反し、良い意味でゾンビ的な(?)しびれる雰囲気を帯びた巨樹でした。
 都を追放された17人の巫女が切り立つ鋸刃のような四国山中に彷徨い、どんな思いからかここに植えた杉であるという伝奇なバックストーリーにも強く心惹かれます。



○10位「大滝のカツラ」「苦竹のイチョウ」「称名寺のシイノキ」「岡の宮の大クス」「六社聖神社の大杉」……

 ……いや、これ、無理ですよ。やってみるとわかるけど、とても10本じゃ納まりません!
 ひとつひとつの巨樹の個性を考えてみた時、それに順位をつけるということが極めて愚かしい行為であるということは、やる前からわかり切っていたことです。
 いやほんと、わかっていながら心を鬼にして企画を進めるプロフェッショナル魂を褒めていただきたいもんです。ほんと。(それはどうでもよい)




 ……というわけで、こんな感じです。笑
 あなたの記憶に残る巨樹はランクインしましたでしょうか?
 案外ベターだなという感じもありつつ、現場に身を置いた経験からすればそれも当然とも思いつつ。
 
 今年も、巨樹たちにいろんなところへ連れて行ってもらいました。
 来年はどこへ? ……それを思い浮かべると、年末年始早々いても立ってもいられなくなる気分です。
 来年も充実の巨樹探訪活動ができますように。皆様にも、どうかよろしくお願い致します。


6コメント

NOBU  

こんにちは

 狛さん、こんにちは。

 絶景ですね。ベスト10のどれも見応えがあります。
 今年はなんとか写真を復活させることができました。
 まだまだリハビリ中でしょうか。

 良い年をお迎えください。

2019/12/31 (Tue) 18:22 | EDIT | REPLY |   
狛

狛  

NOBUさん>
見ていただいてありがとうございます。
こうしてみてみると、今年もいろんなところへ出かけたものです。

NOBUさんの写真で今の下北沢などの風景を見させてもらって、変わらないのだな、と思いつつ、どこだかわからなくなったところもありつつ……自分が東京で暮らしていたことをとても懐かしく思い出します。

来年もよろしくお願い致します。
お互い、楽しく写真を撮れると良いですよね。

2019/12/31 (Tue) 20:02 | EDIT | REPLY |   

to-fu  

あけましておめでとうございます。
自分もそろそろ昨年のベスト巨樹をまとめてみようと思ってるんですけど、何となく
似た感じになりそうです。ええ、トップの2本なんて仰るようにその定位置以外に置き場ある?という。
別所の大クスなんかも改めて良い巨樹だと思いますね。あの土手側からの景観は忘れられません。

その中で目を引くのはやはり自分にとって新鮮な東北新規勢でしょうか。
全くノーマークの巨樹ばかりだったこともあり、実は自分もその場に居合わせたんだっけ?くらいの
臨場感を持ちながらドキドキ読み進めさせていただきました。
ええ、くそー東北羨ましいな!なんて大いに刺激も受けましたし 笑

今年も是非また巨樹サミットを開催したいものですね。やはり目的地はどこかの特天?
何よりお互い段々と危険な領域に足を踏み入れつつありますので、大きな怪我だけには気を付けましょう。
本年もよろしくお願いします!

2020/01/01 (Wed) 15:58 | EDIT | REPLY |   
狛

狛  

to-fuさん>
あけましておめでとうございます! 本年もいろいろとお世話になります(お世話になることはもう決定している)。
四国編はある意味わかり切った上での美味しいとこ取りでしたから、これはもう仕方ないですよね。
二大巨樹をわざと控えたランキングにしようにも、それはお前のみる目が無いからだろ、とか、かえって無理やり感が出てしまうというものです。

そう言った意味では、東北の巨樹に踏み込めたのは大きな収穫でした。
距離さえ近ければto-fuさん、RYO-JIさんのところへ足を運んで見識を深め合うということもしたいのですが、逆に、遠く東にいるからには、そこでしか訪ねられないものを訪ねるべきだろう! となりました。
なおさら関西域に足が向けられなくなってしまいましたが、僕も同じく、出かけたい! 今すぐ行ってみたい! でいっぱいでした。
昨日北から帰ってきたばかりという時でもそう思うんだから、すごい威力です。笑

ええ、是非、新年の計としてサミットの計画を始動させましょう。
ここまで特天では必ず大きな感動を得られているので、ひとつ、特天制覇の道も有意義な目標にできそうですよね。
自然の険しさにも時々踏み込みますが、それと同時に少しずつ勘と経験が働くようになってきているとも思います。
ああ……これは引き返して出直そう、なんてその場で判断ができるというのは、よく考えたら素人の思考じゃないですよね。笑
どうかよろしくお願い致します!

2020/01/02 (Thu) 09:23 | EDIT | REPLY |   

RYO-JI  

あけましておめでとうございます!
いやー、新年早々心躍る記事を拝見し、居てもたってもいられません(笑)。
to-fuさん同様、東北勢のスケールに圧倒されます。
四国も深い山に分け入っていく冒険心を楽しみましたが、東北は更に厳しい道程だと恐れてもいます。
でも行きたい(笑)。
私もランキングをまとめようかと思案しましたが、昨年は有難いことに特天を4ヶ所初訪問してしまったので、
上位4つのランキングが決めきれないのです。
どれもスゴくて4つとも1位・・・とかになってしまいそうで(笑)。
それ以外は、同じように桑平のトチノキ、別所の大クス、桃原の牡丹スギなんかが入ってきそうです。

今年ももちろん巨樹サミット開催しましょう!
場所はどこでも駆け付けますよ。
今年はどんな巨樹が待っているのか今から楽しみです。
どうぞよろしくお願いいたします。

2020/01/02 (Thu) 16:40 | EDIT | REPLY |   
狛

狛  

RYO-JIさん>
あけましておめでとうございます! 昨年も大変お世話になりました。
こうしてズラっと並べてみると、流石に強者揃いになっちゃって、自分でもワクワクしてしまいました。今すぐ探訪に出かけたくなりますね〜。

東北は、ひどいとほんとに人が住んでない感じですからね、ここ数キロ四方に自分しかいないと思うと……あとクマさんかと……怖いですね。
もしこちらにいらっしゃるようでしたら……と言いかけますが、これも、東北が広すぎるので、知った顔で案内とか無理そうです!笑
行ったところだけでも。松保の大杉はぜひRYO-JIさん、to-fuさんをご案内したいですね!

うーん、そうなんですよね、同率一位が増えすぎて。仕方ないんですが。
西国の巨樹は僕は届かないところなので、それ以下、見て、読んでみたいですね〜。
サミットもぜひ計画しましょう! またお互い、実り多い一年にしたいですね。どうぞよろしくお願い致します。

2020/01/02 (Thu) 21:45 | EDIT | REPLY |   

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