秋の石徹白巡礼 3

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K-1 mark2 / HD PENTAX-D FA 28-105mmF3.5-5.6ED DC WR

 ああ……ついにたどり着いた。
 またここに来ることができました。

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 白山の神域の境界に立ち続ける「石徹白の大杉」。
 国指定特別天然記念物に認定された巨樹です。

 なんという姿なのだろう。
 この樹の前に立つと、不信心なはずの自分の心までもがすっと静かになってしまう。
 今回も一緒でした。一度見たから、最初みたいな感動は無いよね……なんてことは、実際、全くなかった。
 いや、むしろ、二度目だからこそ……。
 まぶしい朝日の中、何とも言えない嬉しさが込み上げてきて、思わず大杉に向かって手を合わせました。

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 不思議な樹だ、あなたは。
 とても元気そうには見えない。静かだ。
 だけど、絶対に死んではいないし、とても暖かい感じがする。
 たくさん巨樹を見てきたけれど、この感じを与えてくるのは、やはり、あなただけだな……。

 この感覚こそが信仰の原初的な感覚なのかもしれないな……とすら感じます。
 本当に素晴らしい樹だ。
 樹? 本当にこれは樹なのだろうか……?

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 前回来たときはあまり気にしなかったのですが、角度によって大きく変わる大杉のフォルムを余さず撮ろうとすると、ちょっと邪魔になってくる若い杉が何本かあるんです。
 柵内ギリギリにあるし、まったく絶妙なとこに生えたもんだよなあ……なんて思ってましたが、これ、大杉が更新した分身なんじゃないでしょうかね。

 この距離感はそうじゃないかなと思うんですよね。
 他の樹でもそうですが、ぱっと同じ視野に入れたとき、何とも親しげな雰囲気があるんですよ。
 巨樹の方でも、分身を残せたことで少し余裕ができたというか、ほっとしたような雰囲気を纏うような感じがします。
 こう感じるのは僕だけでしょうか。

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 などなど。
 気づけば今回も1時間20分あまり、あっという間に経過していました。
 写真も、それはもうたくさん撮りましたが……いっぱい並べて何かを説明しようとしたって、肝心な部分は多分伝わらない。でもそれも仕方ないよなあ、と、思えてしまいます。

 言えることがあるとすれば、巨樹を撮って旅するようになって良かったなあ、ということ。
 いや、どの巨樹に出会ってもそう思いますが、この大杉の前でそれを総括し、結論とする感じがありますね。
 この大杉の存在を知ることができて、人生の上で、本当に良かったと思う。

 ちょっと今回思ったのですが……いつか白山にも登れたら素晴らしいな、と。
 とてもハードな上級者向けの登山を強いられるのかどうか、まだ調べてもいませんが、この杉が守り続ける境界の先にあるのは一体どのような世界なのだろうと、来るたびに興味が強くなっていっています。
 いつか、またいつか……。

 「石徹白の大杉」前回訪問時の記事はこちら。

4コメント

to-fu  

来ましたね…
今回同じく10月に訪問しましたが、ちょっとこれ最高の時期では?と思いました。
火照った体をクールダウンさせてくれるひんやりした風、朝露で艶っぽい周辺のシダ。
いつ訪れても素晴らしい空間ではありますが、巨大アブもいないし寒すぎもしない
今まで訪れたのが真夏の8月と激寒の11月末だったので、それだけで感動モノでした。

本当に何と言えばよいやら。巨樹巡りというカテゴリーからちょっと
はみ出してしまっているような気がしますね。まさに巡礼という言葉が相応しい。
白山登頂は僕も興味ありますよ。少しだけ奥へ登ってみたんですけど結構急だし
足元も滑るしで、登山趣味の人の凄さを改めて思い知らされました。
まずはトレーニングしないと、ですねえ…

2019/10/22 (Tue) 21:01 | EDIT | REPLY |   

RYO-JI  

気になって少し調べてみましたが、白山登頂は上級者コースみたいですねぇ。
自分がこれまで気軽にチャレンジした近郊の山とはレベルが違いました(汗)。
この杉が守り続ける境界の先にあるのは・・・それは登らないとわからないでしょうね。
私も非常に興味があるので、トレーニングしないといけませんね。

2019/10/22 (Tue) 21:12 | EDIT | REPLY |   
狛

狛  

to-fuさん>
そうそう、最高の時期は秋ですよね。明らかに。
これ以降どんどん寒くなっていくんだろうな……という引き締まりを感じつつも、動植物たちはまだ明るさを失っていない。というような。
星空は本当にびっくりするくらいでした。夜行ってみて、巨樹以外にもたくさん貴重な経験をすることができました。

今回、時期も違うし、2度目ということで自分の中での受け止め方が落ちついたのか、じっくりと大杉を堪能しました。
戻ってきて撮った写真を眺めても、この独特の形態に見入ってしまいます。
荒々しく、かつ美しいとも思います。裏杉特有の絶妙な曲線、無くなった部分が語りかけてくるような欠損の意味というようなものも感じます。

登山の方に何人も会いましたが、やはり熟練者が多いのでしょうかね。
案外気負うことなく入っていってるなあと思いましたが……やっぱりちょっと他のところで慣らさないとダメですね。

2019/10/23 (Wed) 09:01 | EDIT | REPLY |   
狛

狛  

RYO-JIさん>
やっぱりそうなんですか。だからこそ昔の人は聖地としたのでしょうね。
いやいや、これで楽々行けるような環境になっていたら、逆に拍子抜けです。
目標は遠大なものもあっていいはず。
いつかチャレンジできればいいなと、ずっと考え続けると思います。

2019/10/23 (Wed) 09:22 | EDIT | REPLY |   

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