巨樹を訪ねる 出島の椎 再訪

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K-1 mark2 / HD PENTAX-D FA 28-105mmF3.5-5.6ED DC WR

・前回訪問(2015年5月)の記事はこちら・

 チェストバスターめいた猟奇的巨樹、阿見町の「鹿島神社のやどり木」を目撃したのち、霞ヶ浦へ向けて走りました。
 お正月の三が日中ですが、我々は茨城の巨樹を巡っています。

 霞ヶ浦に半島状に突き出した土地、その名も「出島」というところに、茨城県中でも特に印象深いスダジイの巨樹があります。
 「出島の椎」。
 同行のto-fuさんも訪問ずみですが、このルートを行くのに素通りするわけもなしとすぐに話がまとまりました。
 僕としては4年半ぶりの訪問となります。
 もうそんなに経ったのか……と少々驚きますが、並み居る巨樹たちにそれほどの間夢中にさせてもらっているということですね。

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 火災の果てに本堂を失ってしまい、門だけになった長福寺。
 さすがにここは初詣混雑の心配もありません。

 周囲の風景も、今回の日本晴れみたいな晴天の中では、いっそうのどかに見えます。
 すぐ傍に見えるのが「出島の椎」のこんもりとした樹冠です。
 なお、門をくぐって大椎と対峙する以前、狛とto-fuさんは、白いかわいい犬とお孫さん?とお散歩中のおばさんに挨拶し、「なんとかチャン、ワンワンワン」「ワンワン!」「一回足りないでしょ、ワンワンワン!」「ワンワン!」「ハイ、ゴロゴロリーン!」ゴロゴロゴロリーン……などと、10分くらい和ませてもらっております。
 平和だなあ、今年の正月は。

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 ああ……お変わりないようで。
 思えば、最初期にこの椎を訪ねたことが、メインの題材として巨樹探訪に取り組むきっかけとなったように思います。

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 堂々たる体躯。
 主幹の上背は高くなく、登れと言われれば、我々でもわりかし簡単によじ登れそう。
 そして、よじ登るに微塵の不安もない、岩石の塊のような太さと剛健さ。

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 周囲をたくさんの石仏が取り囲んでいる、この光景もとても印象的。
 みんな樹を向いて、この樹を讃えているような……仏様の力が集中してこの巨樹がドーンと生じたかのような。
 その印象の通り、この樹の周囲を廻ることで八十八箇所めぐりをしたのと同等のご利益が得られる、そういう体感型の参拝法がある。
 周囲にたくさん貼られているお札のようなものは、そのお参りを達成したというお名前入りのものです。

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 この椎、これほど立派なものだったか……と、四年に渡って数々巨樹を見てきた目にも、改めて惚れ惚れするような樹でした。

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 いや、数々見てきたからこそ、なおさら素晴らしさに気づくというタイプの巨樹だと言いたい。
 きっと、シイの巨樹とはこんなすごさがあるのだという、見る目を開いてくれるはずです。

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 外側から見た時の、この幹周辺の暗さ。
 樹齢700年、大枝には欠損したところもありますが、樹齢はますます盛んという感じです。
 常緑樹であるスダジイは、冬の間の巨樹探訪のテンションをつなぎとめてくれる重要な存在であるとも言えます。
 ああ、やっぱりこれは文句なく良い樹だわ……と、to-fuさんと二人、改めて堪能したのでした。
 おそらく、また絶対会いに来ると思います。
 
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「出島の椎」
茨城県かすみがうら市 長福寺
樹齢:700年
樹種:スダジイ
樹高:20メートル
幹周:7メートル

4コメント

to-fu  

あれから2か月も経ったんですね…おっさんになると月日の流れが早すぎて不思議な感じです。
いやあ、このシイは本当に素晴らしいですよ。
僕もこのシイと平山さんのところのシイを見て大きく価値観が変わりました。

この幹というより壁なんじゃないの?という岩のような塊感は実に撮影が難しくて、家に帰って改めてモニターで見てみると「こんなもんじゃねえんだよなあ…」なんて落胆してしまいました。そしてあの退廃的なお寺がまたたまらなく良いという。こうして見ても落ち葉がほとんど見られないし、無人の廃寺にもかかわらず手入れが行き届いてるのは本当に素晴らしいと思います。

最初に見た巨樹サイトでは随分前に出島のシイを訪問していたので元気が無さそうなイメージを持って訪問しましたが、実物を見る限りかなり健康な状態まで復活してますよね。きっとあの周辺は我々が爺さんになっても同じような景色で、このスダジイが同様の姿で迎えてくれるのではないか。そんな気がしますし、そうあって欲しいと願います。是非またご一緒させてください。

2019/03/01 (Fri) 21:02 | EDIT | REPLY |   
狛

狛  

to-fuさん>
そう、早い!汗 もうぼやぼやしたら春ですよ。ほんと。
記事の掲載がこんなに遅くなるとは、いかにもサボっているかのようで。

気軽に行けるところにこんな樹があるというのは誇らしいです!
いくつもすごい巨樹を見てきたつもりですが、見劣りしない。
すごいじゃない! って思いました。惚れ直すような感がありました。
お天気なのもありますが、周囲の印象も良かったです。
そうですね、明らかに丁寧にお手入れされてますもんね。
寺本体がないにも関わらず、きっと周囲の方にとってすごく愛着のある場所なのでしょうね。

大きくなるにつれてバラけてしまいがちなところを、豊かな筋肉量?で、グイッとまとめて盛り上がりながら立ち上がってるところが見事。
以前の自分の記事を読んでも相当力強い印象を抱けたのだなと思いますが、今回見た姿は、その時にも増して元気そうに見えました。
周囲何にもないような土地柄であることがちょっとばかし幸いして、このお寺もシイも長く残っていきそうですよね。
また行きましょう! 変わりないことを確かめるのが楽しみな樹ですね。笑

2019/03/01 (Fri) 23:40 | EDIT | REPLY |   

RYO-JI  

初回のご訪問記事からもう4年ですか!
私もその間に数々の巨樹を見てきましたし、2度目ともなるとそうそうは驚きはしな・・・。
おおー、やっぱり興奮して見てしまいますね(笑)。
このクラスのスタジイはまだ未経験なもので、より一層前のめりになってモニターを見てます。
特に、苔に覆われたモコモコとした幹に釘付けです!!

2019/03/03 (Sun) 21:31 | EDIT | REPLY |   
狛

狛  

RYO-JIさん>
楽しんでいるうちにもうそれだけ年月が経っていました。笑
目は確実に肥えたと自信を持っているのですが、やはりいいものはいいですね。
シイの場合、個体差がとても大きいので、これを先に見たからといって他のものが霞んでしまうということもないのが良いです。
代わりにこちらではクスを見ることがなかなかできませんが、その立場をシイが占めている感じもありますね。
再訪・撮り直しにおいては、より魅力が伝わるようにじっくり向き合いたいものだなと思いました。
疲れるけど、やりがいがありますよね〜。

2019/03/04 (Mon) 08:47 | EDIT | REPLY |   

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