巨樹を訪ねる 八幡のケヤキ 再訪

aizu1929.jpg
K-1 mark2 / HD PENTAX-D FA 28-105mmF3.5-5.6ED DC WR

 当方、「巨樹を訪ねる」に掲載しました巨樹も、思いついて数えてみましたところ、120件を超えるに至りました。
 いろんなところに行って、随分と個性豊かな巨樹たちに会ってきたものです。

 その中にも、「絶対もう一度会いにゆく!」と心に決めている樹がいくつかあるのですが、今回再訪が実現しました「八幡のケヤキ」もその中のひとつ。
 南会津町、大内宿へと向かって登っていく道脇にどどんと出現する、幹周囲1200センチにもなる巨大ケヤキです。
 
 ・前回、2016年7月に訪問した際の様子はこちら。・

aizu1930.jpg

 前回は確かこの道を登ってきた形で、この先が大内宿に通じているのか……と、そんなことを地図で確認したのですが、今回は逆。
 この大ケヤキに会うために南会津を走っている途中で大内宿への道に入り、寄り道をし、下ってきました。
 峠道は雪に覆われ、間違いなく東北に足を踏み入れたのだな……と実感させてくれます。

 確か前回も、このあまりに巨大なケヤキの、その図体の割に唐突すぎる出現の仕方に度肝を抜かれたのですが……今回も全く同様に、うわあっ! でかいっ! と、声をあげてしまいました。笑
 良い調子でカーブを下ってきた時に、自分の中にある「樹」というものの一般的許容値をはるかに超えたでかさの幹が、なんの勿体振りもなく、さらっと視界に入ってくる。
 軽度のパニック状態に落とされ、そこから歓喜と興奮が小刻みジャンプして跳ね返ってくる感じです。

aizu1937.jpg

 素晴らしい! もう、そうとしか言えません。とにかく素晴らしい巨樹ぶり。
 ケヤキは巨樹の代表的樹種と言えるし、驚くほど巨大なものもいくつも見てきました。
 そして、この「八幡のケヤキ」自体、前に立つのは二度目です。
 しかし、相変わらずの新鮮な驚きと感動を……語義矛盾に陥っている気もしますが、とにかくそうとしか言えないポジティブな動揺を感じさせてくれます。

aizu1932.jpg

 夏に来た際には、1000年近く生きていると言われる巨樹とは思えないような濃い緑の茂りが印象的でした。
 冬の今はすっかり落葉していますが、それがかえって空を掴むような枝張りの広さと活発さを克明にしていました。
 こんな枝張りをしていたのだなあ……ほんとうに見事。

aizu1935.jpg

 で、視線を落としてくると、ごつい岩塊のような主幹に至ります。
 ケヤキでも複数の幹に別れているものもありますが、ご覧の通り全くの単幹、それゆえの超巨体です。

aizu1934.jpg

 これが、幹。
 これを見てしまうと、ケヤキの巨樹に多い、根張りの高さで数値を稼ぐタイプ(漏斗状の体型)の樹をどう評価して良いものか……と複雑な気分になってきます。
 これぞ巨樹という確かさ、疑いのなさ。
 大地がそのまま樹の形になって立ち上がったらこんな感じになるんじゃないか?

aizu1936.jpg

 しかしこれもまたある意味、写真で肝心な感覚が伝わらないタイプの樹かもしれません。
 見てください、この単純無比な形状。
 そしてあの、巨大さ……。「あの」と書くしかない、「この」とは書きづらいわけです。
 写真に正確に表現しきれない、溢れて取りこぼしてしまうような馬鹿でかさがそこに存在していて、視界のほとんどがそれで塞がる感覚を、とりあえずもご想像ください。

aizu1938.jpg

 この巨樹に関しては、太さ、高さなどと同様に、「重さ」も気になるのです。
 果たしてこの巨体、一体何十トン……何百トン? あるものでしょうか。
 並みの樹の何倍もの質量が集中しているせいか、写真の重心も著しく偏って見えますね……。

aizu1939.jpg

 ケヤキの巨樹ランキングでいえば、痛みが激しいランカーを除けば、全国で2位という見方もできる巨樹です。
 しかし、大きさもさることながら、それら数々の中で、一番好きな大ケヤキかもしれません。
 バオバブが何するものぞ、というような、この重量感、スタイル。
 もう一度と言わず、何度も相対して撮影したくなります。
 ケヤキを守ってくださっているお宅を含め、周囲の環境にも馴染んでいる……謂れによれば、およそ1000年前、遠征の際にこのお宅で休憩された冷泉天皇の御子が、そのもてなしに感謝して植えたケヤキとのことです。
 「豪壮雄大王者の風格」と解説版にありましたが、まさにそんな感じの、ケヤキ巨樹の王様だと思います。
 また絶対に会いに来ると思います!


aizu1933.jpg

aizu1931.jpg

「八幡のケヤキ」
福島県南会津郡下郷町
樹齢:950年
樹種:ケヤキ
樹高:36メートル
幹周:12メートル

4コメント

to-fu  

これだけのサイズにしてまだまだ健康そうに見えることに驚きました。
さらには囲いも無しで直接触れることが出来るなんて!これは凄い。

ケヤキの巨樹は確かに大きいけど見ていると悲しくなる…というタイプのものが多いので、生き生きした姿でどっしり構えたケヤキが待っていてくれると嬉しくなるでしょうね。見せていただいたプリントの中にこの巨樹がありましたよね?(別の巨樹との勘違いだったらすみません…)こうして写真を見ていても気持ちの良くなるケヤキですが、やはり是非ともこの目で会ってみたいものです。

2019/02/01 (Fri) 20:40 | EDIT | REPLY |   

RYO-JI  

掲載巨樹が120件ですか・・・いやぁスゴイですね。
そんな中でもこのケヤキはよく覚えている一本です。
フツーに町中に存在しているのが違和感あるほどに巨大なその姿。
撮影していると、付近の住民の方が写り込むことってそうないですし、
人々には身近な存在なんだと改めて感心しました。
そして最後のモノクロがここまで映える巨樹も珍しいと思いましたね。

あと、狛さんの車も機材もパワーアップしてますね。
もちろん写真にもそれが表れていますし、自分も再訪シリーズやりたくなってきました(笑)。

2019/02/01 (Fri) 21:33 | EDIT | REPLY |   
狛

狛  

to-fuさん>
近くに行くと、ほんと圧巻です。
おっしゃる通り、ここのところ傷ついたケヤキの巨樹を見ることが多かった分、余計清々しい思いが味わえました。
この樹は前回夏に撮影した時からずっと自分の中のベストケヤキ巨樹として頭に残っていたし、今もまだ変わらず、雪に映えた姿を見ることができて、すごく良かったです。
根元のお宅の方の管理の良さも伺えるというものです。
まあ、今しもケヤキが足元の石垣をひねり潰しそうなんですがね……。笑

また、今度は葉が青く萌えてきた頃にでも訪ねたいもんです。
to-fuさんの薫蓋樟の写真のように、僕もケヤキに身を任せて記念の一枚を撮ってみたいと思いました。
茨城県内からもちょいと遠いですが、ぜひ一度。自信を持ってオススメできる一本です。

2019/02/02 (Sat) 08:33 | EDIT | REPLY |   
狛

狛  

RYO-JIさん>
おかげ様で、いつの間にやらその数に至っていまして。笑
RYO-JIさんのところも結構な数行くんじゃないでしょうか。
なかなか難しいとは思いますが、我々の探訪をひとどころにまとめることができたら結構すごいのではないかな……などと妄想したりもしました。

このケヤキのことを覚えていてくださって嬉しいです。
そう、道具たちもパワーアップしましたので、やはりベストな状態で撮りに行きたくなるというものです!
お宅の方がまめに外で作業されている印象なのですが、我々巨樹撮りに対しても暖かに接してくれるのが嬉しいです。

これだけマッシヴだと、モノクロで撮りたくなりますよね。笑
枝張りがこんもりしているので、冬に撮ると樹形がよくわかるのもいいです。
冬にこれだけ映えることができるケヤキって、なかなか少ないなとも思いました。

2019/02/02 (Sat) 08:47 | EDIT | REPLY |   

コメント投稿