ときがわ町巨樹探訪 2

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K-1 / HD PENTAX-D FA 28-105mmF3.5-5.6ED DC WR

 ときがわ町の巨樹を追って、導かれるように徐々に山奥へ。
 カーナビの道が切れてからが本番ってことでしょうか……どんどん道が細くなっていくんですが、ひょんなところで集落が出たりする。
 なんかチベットめいた風景に。
 言っといてチベットの風景ってよくわかんないですけど……こういうところにはやはり、不死身の車・トヨタハイラックス。
 ですね。
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 少し遡って、「越沢稲荷の大スギ」
 これはほのぼのとする良い一本杉でした。
 人々にも愛され親しまれているに違いない。
 こういう、若さを感じられるような巨樹に出会うと、こちらも元気になれます。
 まだまだ大きくなってくれるでしょうし、ほんと、人間種の寿命の都合上絶対見られないんだけど、2、300年後の姿が楽しみです。

 お稲荷さんにもお詣りを忘れずに。
 どれ、お稲荷さんから見る大杉はどんな風……

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 ウッ。
 失礼しました、調子に乗りました……。


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 そんなこんなんあって、日が暮れる前に4本目の巨樹を訪ねておきたいと思い、走り出したのですが……正直、道に迷いました。
 スマホ上のマップを頼りに移動してたのですが、途中から完全にチベッタン・圏外に。
 こいつは困った……しかし、ちょいと深い巨樹探訪にはありがちなケースですよね。
 やはりローカル参照できるものもあった方が良い……。

 ここだろという地点まで来てもそういう雰囲気ではないし、いい加減、1枚目のような細い道になって来たので、車を降りて探してみようと試みたのです。
 すると、向こうから愛想の良さそうなおっさんがやって来ます。しめた。

僕:「こんにちは、ところでこの辺にでかい樫の樹があるということで、歩いて行けるんですか?」
おじさん:「ウバッカシだな! 無理無理無理無理! まだまだ先!」
僕:「えっ、でも地図ではこの近くかと」
おじさん:「どういうわけだか、そういう人、結構いンだよね。この間も若い女らがさ、山に登ろうとしてて……それが、向こうに見えるだろ、あの山な訳。危ねえからやめろって言ったよ」

 どうやら、GPSの類を信じていると、こういう誤差で痛い目を見る土地柄みたい。
 まあ、過去にもGPSコードを頼りに行ったらでかい川の対岸違いで途方に暮れたこともあり……。

僕:「だいぶ道狭くなってるけど、樫まで車で行けるんですか?」
おじさん:「いけるいける! 途中これこれこうなってて……」
僕:「ありがとうございます! いやあ聞けて良かった。行ってみます!」
おじさん:「気をつけてね! それと、こういうところでは常にボーを持ち歩くもんだよ」
僕:「ボー……棒ですか」
おじさん:「そう、ボー。それか山刀」
僕:「はあ、はい」

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 おっさんの言う感じでは、もうちょっとだけ進めばいいのかと思ったのですが、これが行っても行っても。
 上の写真のような陰気な林道で、ところどころ舗装も切れる。
 森、深くて昏く、ライト点灯するし、正直もう戻りてえ……

 そう思った時、ようやく樫の入り口を示す看板が目に入りました。
 車を路肩に停め、そこからはいよいよ歩きです。

((それと、こういうところでは、常にボーを持ち歩くもんだよ))

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 ふと、あの言葉が頭をよぎりました。
 ははあ、こいつはあれか……ゲームとかでソレがないと詰むってフラグだな?
 肝心なとこに錆びたゲートがあって進めなくなる、横を探索するとときがわ町長の銅像がある、その額に何かをはめ込む穴がある、頭上を見上げると杉の枝に怪しげな宝石がぶら下がってる、ハイ、ボーの出番です! みたいな。

 ……持ってねえよ、ボー。
 これまでの道中でも必要性を感じたトレッキング・ポールですが、惜しいことに、おうちに忘れてきた。
 しかし、重要な登場人物であるおっさんがわざわざ必要と示唆したボーを無視するわけにはいかない。何かないか?
 考えた結果、それまで「役立たず」「洗濯干すしかできない」と邪険に扱われていた一脚を持ち出しました。
 まあ、どうせ使わないし、ダメになってもいいので持って行こう。


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 そうしてなかなかの山道を歩いて行き、恐るべきルックスの「姥樫」にたどり着きました。
 疲れも吹っ飛ぶ……というか、一瞬息が止まりました。
 こんなとこにいちゃいけないと思うような威圧感を感じ、アワアワ撮って逃げ出そうとすると……ゾクゾクっと、背を向けちゃイカンと思ってしまうようなあの感じ。
 ひとつ前の健やかな大杉にもらった元気も、すっかりエナジードレインです。
 本当、巨樹というのは色々ある。
 他の方がどう見られるのかはわかりませんが、そういう意味では、あまり予備知識を仕入れずにそのまま叩きつけられる印象を浴びてみたい気もします。
 この場合はとてもコワい経験でしたけど……。

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 17時も回り、これからすぐに山中から出るべき時間になってくるはず。
 事故らないうちに帰りましょう。
 ときがわ町の巨樹、どれも個性的で訪ね甲斐がありました。

 そうそう、棒ですが、役に立ちましたよ。
 姥樫で冷えた心を暖めた方がよかろう、そうしたい、と、ちょっと辛そうな道のりをあえて歩き、凄くないカツラも見てきました。
 道中始終、杖の代わりにする、藪を押しのける、蜘蛛の巣を払うなど、やはり棒はなくてはならんのです。
 これ以来、常に車にポールを積むようにしました。
 ありがとう、ときがわのおじさん。
 しかし、今のとこ、山刀を使うようにはなりたくない。

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 山から脱し、主要道路に出ると、意外にも姥樫へ導く看板がありました。
 椚平の方から来てしまったことで、かなり難儀なルートどりをしてしまったらしい……。
 しかし、「尾根」という言葉が使われているのを見ても険しいところには違いない、いったいどれくらいの人がこれを見にやってくるでしょうか……。


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 街場に戻って来てホッとしました。
 都合、おまけになってしまうのですが、目立つところに大銀杏もあります。
 しかし、街道沿いの騒々しいところで落ち着いて見られない上(個人の方の敷地にある)、季節柄、銀杏はモッサリと訳のわからん緑色のカタマリになってしまっており、鑑賞不可能。
 に、なってました。
 
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 その解説文。
 お宅に残る記録から、ときがわ町でも最も古い巨樹であろうと推測されているようです。
 行くのは簡単なので、ときがわ町に来た際にはお寄り頂ければ。

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 銀杏のすぐそばには、道の駅的な物産施設も。
 「建具会館」の名が示す通り、ときがわ町は昔から製材業が主要であり、そういった木工なども盛んです。
 あとはキャンプや林道アタックや……見てください、「見」のとこに、「巨 木」とあるでしょう。
 ときがわ町に来たら巨樹を見ないと。


 ……というわけで、埼玉県初上陸でだいぶ深いとこへ突っ込んだ印象でしたが、今回の巨樹探訪は以上です。
 秩父の方や、北辺には、調べてみれば巨樹も結構期待できるのでは? と思うので、これからチェックしてみようと思います。
 お付き合いありがとうございました。

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