巨樹を訪ねる 高宮神社のアカガシ

K-1 / FA 35mmf2 / SIGMA 28mmf1.8 EX DG
「万畑の千年カシ」からの、まさかのカシの巨樹2連続です。
実に好対照な2本となったので、ぜひ併せてご覧ください。
「高宮神社のアカガシ」は、前述の「万畑の千年カシ」から車で数十分の所にあったと記憶しています。
曖昧な書き方をしているのは、道中かなりの山道で、ソロソロ運転のあまり、距離にあるまじき時間がかかったから。
それでも、スリルドライブしても見に行って良かったと思うような、活力に溢れた樹でした。

高宮神社は鬱蒼とした森の中にあり……そこまで至るにも深い山中を危なっかしく走らないといけないのですが、本当にこの先に神社なんてあるのか? と真剣に不安になるような入り口で車を降りなければなりません。
100メートルほど進んでいくと、神社よりまず先に巨大なアカガシに出会うことになります。
幹周5メートル台と、数値的にはそんなもんかと思うようですが、写真で伝わるでしょうか、空を抱えるように枝を広く広げ、無数の緑の葉を茂らせています。
幹周よりも数倍して巨大さを感じさせ、思わず見上げて息を飲みます。

そばへ寄ればかなりの巨体であるのは間違いありません。
どっしりとして重そうな幹。
「万畑の千年カシ」と同類の樹とは思えないような質感です。

主幹は太いまま枝分かれせず立ち上がって行きます。
この重量感はかなりのもので、シルエットが四角く見えるかのよう、かなり筋肉質な感じですね。
樹齢は300年そこそこ、まさに巨樹盛りというところでしょうか。

カシは、ごく一般的な樹木でありつつ、巨樹の部類に入るものはそう多くはないようです。
加えて、杉のように幹周10何メートルとか、そこまで大きくもならないようです。
確認されている最大のもので11メートルというのがあるようですが、アベレージからすればそれほど大きくはない。
やはりそこは「木」に「堅い」と書いて「樫」ですから、成長が遅く、その分身が詰まった木であるというアイデンティティなのでしょう。

高宮神社は、この神木であるアカガシの横を通り、鳥居をくぐり、急な(消えかけの)階段をどんどん登った先にあります。
かなり息が切れ、暑い時期だったので汗まみれになりました。
途中の斜面にもかなり大きなカシの木が立っており、神木のアカガシの親族なのだろうと思いました。

ハアハア言いながらたどり着いた質素な高宮神社。
周りには妙にたくさんの鉄砲百合が咲いていました。

見晴らしがよく、ここまで登ってきた感満点。
なんか、茨城離れした?ような風景かもしれませんね。

そして、再び下ってきて、アカガシの元へ。
衝動に従って、逞しい姿を仰ぎ見るように撮ってみます。
枝張りは25メートルもあるそうです。
この姿を見ていると、こっちまで背筋を伸ばしたくなる、生きる活力を与えてくれる樹だと思いました。

樹と。
やはりすぐそばまでアプローチできることで、より大きさを実感することができます。
それも、樹が健康であるからできることなのですが、そうであれば広角レンズで寄ることもできるし、写真には余計巨大に写るかもしれませんね。

解説文。
「万畑の千年カシ」はシラカシで、こちらはアカガシ。
紅白のカシの巨樹を訪ねたということで、縁起が良かったかもしれません。

「高宮神社のアカガシ」
茨城県常陸太田市赤土町
樹齢:310年
樹種:アカガシ
樹高:25メートル
幹周:5.4メートル