巨樹を訪ねる 競いのもみ

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K-1 / SIGMA 28mmf1.8 EX DG

 横手市から南下し、秋田県最南端にあたる湯沢市に、もみの巨樹を訪ねました。
 しかも、ツインズ。

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 その名も「競いのもみ」。
 町外れのいかにも由緒ありそうなお寺、「最禅寺」の墓所の入り口両側に直立する2本の巨大なモミです。
 双方とも幹周5メートル、樹高40メートルを超え、まるで生ける門のよう。

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 もちろんこれは明らかに人の手で植えられたもの。
 今を遡ること240年ほど昔、この寺の祖苗大和尚が、2人の愛弟子「祖心」「祖光」の出世を願って、モミの樹を1本ずつ植えさせた……というものだそうです。
 祖心、祖光は切磋琢磨して、2人とも高僧になったとのことです。

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 兄弟、もしくは双子、もしくはライバル。
 その2人の僧の生き写しのように、2本のモミの樹も、まるで互いを意識したかのようにほとんど同じ巨大さに育っています。
 モミは一般的にはスギやケヤキのような大きさ(太さ)にまでは育たない樹のようで、幹周5メートルと言えば、かなり大きいクラスだと言えそうです(日本最大のモミの幹周は7.8メートルだそうです)。
 二股三股というような形にならず、直立姿勢の樹が多いのが計測太さを大きくできない理由かもしれませんが、逆に言えばスタイルのいい樹が多いということかも。
 そう、モミと言えばクリスマスツリーですが、「競いのもみ」では、枝があるのははるか頭上で、飾り付けには大型高所作業車が必要そうです(お寺の樹だって)。

 見事にまっすぐに直立している均整の取れた幹とともに、露出した根は地面を鷲掴みにしているかのようで迫力があります。

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 樹と(何か喋ってるところを撮られたようです)。
 少し離れた丘の上にも、お堂とともに2本のモミが植えられており、「競いのもみ」ほど見事でないながらも、まるで韻を踏んでいるかのようでした。
  
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「競いのもみ」
秋田県湯沢市山田字堂ヶ沢 曹洞宗大乗山最禅寺
樹齢:240年
樹種:モミ
樹高:40メートル/40メートル
幹周:5.2メートル/5.0メートル

4コメント

ぴよ社長  

名付け由来が素晴らしいですね。
また、和尚が植えた場所もいい。
さらに、和尚が弟子につけた名前にもじ〜んときました。
心と光。

2016/09/23 (Fri) 08:00 | EDIT | REPLY |   

RYO-JI  

寺社の門や参道の両側に対を成すように存在する巨杉は結構見かけますが、
モミの木とは珍しいですねぇ。
その最大幹周のモミである追手神社の千年モミは、私の担当エリアですよね(笑)。
いつか行きたいと思っていますよ、もちろん!

この競いのモミは、その謂れがいいじゃないですか。
どこそこの高僧が刺したお箸が・・・という各地にありがちなどれが本当かわからないような
古い古い言い伝えではなく、よりリアルで「祖心」と「祖光」がこの2本のモミの木に重なって見えます。
40mという見事な樹高は、240年経った今なお競い合っているようですね。

2016/09/23 (Fri) 21:53 | EDIT | REPLY |   

狛  

ぴよ社長さん>
おはようございます。合掌。
とても雰囲気のいいお寺で、この立派なモミもその景観に大きな役割を果たしていると感じました。
この樹の間を通ってお墓に行く感じ、すごくいいなと思います。
競いのエピソードは、なんだか、歴史小説の名場面みたいですよね。
お寺を守る仁王のようにも見えます。
もっとも、モミなので仁王にしては端正ですね。

2016/09/24 (Sat) 06:38 | EDIT | REPLY |   

狛  

RYO-JIさん>
対になった杉は僕も他の場所で見たのですが、モミはなかったので行ってみました。
そうそう、そのようですね、ぜひモミも見に行ってみてください。
杉にも劣らず姿勢のいい樹ですから、こちらも背筋が伸びます(笑)。

面白い伝説じゃなくて、れっきとした記念樹として存在しているところ、このエピソードも真実味があって良いですよね。
きっと二人のお坊さんも時々モミの姿を見て修行にまた打ち込んだろうし、モミはモミで、絶対隣の相方を意識してここまで成長してきただろうし。
重ねて来た歴史の厚さ、それがまだ生きて続いているのだということを実感します。


2016/09/24 (Sat) 06:52 | EDIT | REPLY |   

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