巨樹を訪ねる 坊金の大スギ

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DP2 Merrill / 30mmf2.8
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 カーブミラーやガードレールからも見放され、車同士がすれ違えないような山道(片側は崖)をスリルドライブしたあげく、頂上でピクニックのご家族にお茶会に呼ばれるという、実際けっこうな冒険道中のすえ、「坊金の大スギ」の元に辿り着きました。
 「虫川の大杉」に続いて、こちらも枝振りがダイナミック。

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 ピクニックの下りからの樹との出会いはこんな感じ。
 小高いところに立っていますが、やはりこの樹だけが他を圧倒して太いので、すぐわかります。
 樹形からして、もしかするとお手入れをされた後なのかも知れません。

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 たくさんの枝からさらにたくさんの小枝が茂っていますが、過密なところは枝下しをした跡があります。

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 特に一番下の枝の横への張り出しが大きく、アンバランスであるので、丸太組で支えてあります。
 越後の山深い土地であるので、おそらく大雪の重みがかかると折れてしまうのでしょう。

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 枝がたいそう立派なので、根よりも幹の方が太くなっています。
 逆三角形の筋骨隆々とした肉体美……みたいなものを連想させる樹です。

 坊金神社の敷地ということですが、周囲は広く開けていて、ふかふかした草に覆われています。
 いい環境の中で長生きできているのが良くわかります。

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 もう一枚、横に大きく伸びた枝と(クリックすると大きくなります)。
 はるか彼方に連峰を望む、とても見晴らしのいい高台にそびえています。
 案内板にもありますが、戦国時代にはかのエチゴ・タイガー、上杉謙信が直峰城(数キロ先の山奥にあったらしい)との連絡のために、この杉に鐘を吊るして連打した、とのこと。
 どの枝だろう……と想像するに、それはもちろんこの一番張り出した枝であるに違いない、まさしく鐘を吊るしてくれと言わんばかりの大枝じゃないかと思われてきました。
 謙信の幻影を同じ樹の元に見る……歴史ロマンってやつですね。

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 裏側から。
 折れたらしい箇所の保護処置もよく行き届いていて、山中にありながら、土地の人に大事にされていることが伺えます。
 枝張り26メートルというのは、先に訪れた虫川の大杉とも良い勝負。

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 案内板。
 歴史素人の直感では、僧兵みたいな姿の上杉謙信が鐘を鳴らしたから「坊金」という地名になったんじゃないか、と思ったのですが、ちょっと調べてみると、元々ここにお寺があって、お坊さんがこの杉に吊るした時の鐘を鳴らしていたから……との由縁らしいです。
 謙信もその用途に則ったというわけですね。
 鐘さえ吊るしてあったら、今でも十分にその役割を果たせそうな巨樹と立地。
 災害時なんかには案外役に立ちそうに思いますが、どうでしょうか。 

 なかなか再び訪れるのが難しそうな土地ですが、この良い環境なら、この先も健やかに生きていってくれるだろうと頼もしく思いました。
 

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「坊金の大スギ」
新潟県東頸城郡安塚町大字坊金 坊金神社
樹齢:800年
樹種:スギ
樹高:25メートル
幹周:8.5メートル

4コメント

ぴよ社長  

杉の木もすごいし、
こんな山奥に神社があるのもすごいです。
拡大してみると迫力がすごかった!
大切に手入れがされているんですね。
横にぐにゃっと枝が伸びた松とかありますが
この杉もどうしてそうなっちゃうのか不思議です。

2015/10/29 (Thu) 07:40 | EDIT | REPLY |   

RYO-JI  

上杉謙信に縁のある杉ですか!
大きさだけでなく経歴も只者じゃないですね。
こういう歴史ロマンは歳を重ねるごとに興味が湧いてきます。

2015/10/29 (Thu) 21:28 | EDIT | REPLY |   

狛  

ぴよ社長さん>
小高い山の上にあって、知っていれば遠くからでも目印にできそうです。
ただ、周囲も山中という感じなんですけどね。
そんなところにあっても、状態からして、丁寧にお世話されているという印象がなんとも良いですね。

新潟本土で出会った大きな杉はみんな形が個性的でした。
一本ドーンと天まで、というのはなかったような……。
後からきけば、佐渡はあんまり雪が降らないらしいので、やっぱり雪のせいでしょうか。

2015/10/30 (Fri) 06:49 | EDIT | REPLY |   

狛  

RYO-JIさん>
時代は過ぎて城はなくなっても樹木は生き続けているわけです。
その頃から大きかったんだろうな……と、我々現代人は想像するしかないのですが。
色々いわくつきの樹はありますが、この謙信のエピソードはホントっぽいなと思って、大杉を眺めてきました。
全ての地に由縁があるという、巨樹はその証人でもあると思います。

2015/10/30 (Fri) 06:59 | EDIT | REPLY |   

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