台風お見舞い/府馬の大クス

K-1 mark2 / HD PENTAX-D FA 28-105mmF3.5-5.6ED DC WR
まさか地元が激甚災害の被災地になるとは思いもよらず……。
先日の巨大台風で、千葉県山武市周辺はいまだに深刻な停電に悩まされています。
実際あの辺りを走ってみると、無数の杉が真ん中からヘシ折れて倒れている。
中には電線にもたれかかってしまって、その下をこわごわ通過しなければならないところまであります。
そういう有様ですから、当然、近隣の巨樹たちのことも気になります。
特に「府馬の大クス」は、相当な老体であり、過去に何度も台風のために瀕死の重傷を負っている身。
大きな台風が来るたびに心配になってしまうのです。
ようやく空き時間ができたので見に行ってみると……坂道の入り口にあったはずの「府馬の大クスこっち」みたいな看板がない。吹き飛ばされたか? 嫌な予感がよぎります。
細いくねくね道を登って行っていざ見てみると……お、折れてる?

いやー、本気で心配してしまいましたよ。
大クス(という名前ですが、タブの樹です)の周りには、伏条更新(セルフサービスなクローン)したとされるタブの大木が何本も茂っているのですが、この折れ枝は、大クス(タブ)のものではなく、若い樹のものでした。
写真のように、大クス(※タブ)のアンバランスな枝がやる気を失わないように、近くの別のタブにワイヤーでつないでいたんです。
台風で、ものすごい風が吹いたのは確かなのでしょう。
大きく揺さぶられるうち、ワイヤーを支えていた方の枝が折れてしまったようです。

大クス(タブです)自身は大枝を失って久しく、ヒョロヒョロした何本かの枝で命をつないでいるので、まずは大怪我はなさそうで良かったです。
しかしまあ、どこの松葉杖か、支柱もへし折れてしまってる……。
かなりやばい暴風雨だったことは確かですね。

じいさん、無事で何よりだよ。
とっくに命の代替わりを終えたような老樹ではありますが、残っていてくれれば嬉しい。
日本第2位とも言われるタブの巨樹ですものね。
ヤブ蚊を追い払いながら撮っていると、がやがや言う年配男女の集団がやってきた。
タバコ吸ってるのもいたので、それ吸いながら鳥居くぐったら殴る、と睨んでいると、さすがにそうはせず。
しかし、ここへ来た動機が、なんか「ハート形の穴(だかなんだか)を見つけると幸せになる」とか、聞かなけりゃ良かったようなもので……。
だるくなって、離れよう離れようと動くと、あいつの後をついていけば正しい順路で見られる(もしくはハート穴が見つかる)かなんか勘違いしてんのか、ずっと後をつけてくる。
ヤブ蚊もろともキンチョールしたくてたまらなかった。
案の定、5分で帰っていきましたがね。
大クスさん(タブですけど)の前で自分の人間が小さいとこは見せたくないもんですよ……。
はあ……。